アサーション(16)「聴く」をちょっと詳しく
コミュニケーションという関わりを通して、最終的にどんなゴールに辿り着いたか、つまりその成果はなんだったかを判断する、とすると、それは相手が「何を感じたか」「どう思ったか」ということです。コミュニケーションの成果は相手の反応がすべて、なんていう説明もあります。
こちらが褒めたとしても、相手が褒められたと感じなければ、結果として残念ながら「褒めた」というコミュニケーションにはならないということです。
つまり、相手の話をしっかり聴いたとしても、相手が「話を聴いてもらった」と感じなければ、「聴く」というコミュニケーションが、残念ながら何の実も結ばないという結果に終わってしまう、のです。
と、なると、実際に「相手の話を理解した」ということに加えて「話を聴いてくれたと感じてもらう」にはどうしたらいいのか?
「この人は話を聴いてくれる人だ」と思う時、相手はどんな態度をしているか?質問して出てくる答えは次のようなものです。
・視線を合わせる
・うなずく
・相づちを打つ
・体を相手に向けている
・何かしながらではない
・オウム返し
・自分の気持ちに合った表情をしてくれる
・ペース(テンポやトーンや声の大きさや使う単語)を会わせてくれる
・黙って聴いてくれる
・最後まで聴いてくれる
・話を奪わずに、それから、と促してくれる
・内容にあった質問をしてくれる
などなど
こういうのを聴く技術とかスキルとか言いますが、聞き上手と言われる人たちが自然とやっていることがほとんどです。
もしも、上に書いたようなことをまったくやっていないと感じた人で、一つ一つ意識やる必要がある人もいるかもしれませんが、技術を習得すると考えるよりも前に、是非、相手に好奇心を持って、相手の伝えたいことを感じ取るアンテナの感度を良くして、そして相手の成長や幸せを心から願う気持ち(コミュニケーションにおける「愛」と僕は呼んでいます)で接することから始めてほしいと思います。愛なくして、技術だけでは、コミュニケーションはうまくいきません。逆に愛のある接し方からは自然に上に書いたような技術みたいな態度が生まれてくるものです。(なんて、僕は考えています。)
ということで、「聴く」に関してちょっと詳しくかいてみました。
質問や感想などお寄せください。
ではこのへんで。
NPO法人ぐんまアサーションラボ(ぐんまアサラボ)高橋祐紀