アサーションに関して(4)聞いて!話して!

「ねえねえ、聞いて!」大好きな友達や家族が目をキラキラさせながら言う。「えっ、なになに?」

「昨日行ったところでの話。何があったと思う?」

 大好きな人がそんなふうに話し始めたとしたら、私達の好奇心は大きく膨らんでいくのではないでしょうか?『そこに何があったんだろう?』『何が起きたんだろう?』『何を見たんだろう?』『何を感じたんだろう?』『もっと詳しく聞きたいな』なんて思いながら。そして、さらに。とてもとても大切な人が楽しそうに話してくれる時、話の内容に好奇心が膨らむだけではなくて、その楽しそうに話す声や表情を見ていることさえも、喜びだったりするでしょう。

 良い会社の条件の中に、「心理的安全性があること」というのがあります。「聞いてくれる。話してもよい」という雰囲気があることが基本となります。良いことも悪いことも、成功も失敗も、思いついたアイデアも、関心をもって聞いてくれる人(例えば上司)がいるとしたら、隠しごとも減ります。相手の人が、自分の成長を喜んでくれることを感じていて、いつも話を聞いてもらえていたら、新しいことを身につけたいという前向きな気持ちにもなれます。

 意見が対立するような状況が起きたとしても、対立しているのは意見であって、存在同士が対立しているのではないと気づくことができれば、喧嘩のような口論も、議論に変わり、意見交換に変わり、目標達成のために力を合わせているという認識に変えることもできるかもしれません。大好きな人ではなくても、自分とは異なった価値観を持つ人の話を角度を変えながら好奇心を持って聞く時、そこに新しい発見を見つけることもあるのかもしれません。

 理想的すぎる話を書いてしまっていますが、少なくとも

 「昨日食べたカレーの話なんですけどね・・・」と話し始めた人に

 「カレー?俺、カレー嫌いなんだよね。だって、カレーってさ・・・」といつものように応えて

やがて何も話してもらえなくなる人にはなりたくないな、と思うのです。

アサーション。アサーティブな社会の基本に、「聞いてくれる」「話してもいいんだ」そして「相手に関心をもつこと」はとてもとても重要な要素なのです。

というわけで、なんだか尻切れトンボになってしまいましたが、第4回はこのへんで。

NPO法人ぐんまアサーションラボ 高橋祐紀

 

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