アサーティブに!(34)ネットの問題

 不適切動画の公開、誹謗中傷、いじめ、等々。インターネット関連の様々な問題が起こっています。原因のひとつには、インターネットのシステムの問題。誰もが簡単に匿名での投稿ができ、速いスピードで拡散すること。一度投稿されたものは、削除不可能なこともあること。不適切な投稿と判断されると(誰が判断するというよりは、ネット内で誰ともなく判断)、個人が特定され個人情報が公開され、つるし上げが行われたりもする。

 こんなことが、できてしまうシステムであることを知っていなければならないわけです。ちょっとした悪口や噂話、昔で言う井戸端会議みたいなことを、簡単にリモート状態(離れた人に対して)で行うことができるけれど、ボタン一つで、世界に向けて拡散される可能性(危険性)があるわけです。

 また別の問題として、検索を繰り返し行う中で、似たような内容のものが多く(または、同じ考えの意見ばかりが)表示されるようになり、情報が偏っていき、自分の中に偏った「正しさ」ができてしまう。そんな問題もあります。

 インターネットの中の、システムに起因する問題も大きいわけですが、別の問題として、それを使う人々のコミュニケーション的な問題があります。

 システムは常に鋭角。容赦なく尖っていると考えて、その尖ったものを、ひとを傷つける武器にならないように使っていくことを考える時、リアルな人間関係よりも、さらに慎重なコミュニケーションを考える必要がありそうです。

 システムは利便性、操作の簡単さが発展し続けていきます。

 人々の承認欲求や不満の解消などが、その操作の簡単さや匿名(と思える)のまま書き込める気軽さのあるネットの中に展開されていきます。それが度を越す時、偏った時、そこに問題が発生していきます。

 システムの改変が問題解決になかなかたどり着けないとしたら、人々の心の持ち方、人々の言動、人々のコミュニケーションを変えていくことが必要となりそうです。

 では、どう変えていくのか?

 これは、ありがちなアサーションやコミュニケーションの話になってしまうのかもしれません。

 十人十色であることを知る。

 人は間違い、失敗するものだから、まずは寛容に受けとめる必要がある。

 社会的な役割としての上下があったとしても、人格としての人に、上も下もない。人権という意味で、人は平等である。

 想像だけで相手を判断したり、過剰に相手の気持ちを読んだりせずに、言葉で伝えながら、コミュニケーションをしていくことの大切さ。

 などなど。

 時代は進んでいるはずなのに、まだまだコミュニケーションは成熟したとは言えないようです。よりよい人間関係を作っていくことをしっかりと学ばなければ、ネットの多くの問題は解消されないのかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

NPO法人ぐんまアサーションラボ(ぐんまあさらぼ) 

群馬県藤岡市にて

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