アサーション(22)いじめ、成長、変化
バラエティー番組などでは、「いじり」の場面は非常に多く見られます。ある人のちょっと変わったところを強調しながら、みんなで笑う。性格とか、行動とか、見た目とか。本人も受けをねらって、自分からその特徴を繰り返しながら、全体が盛り上がっていたりします。
おそらくテレビの影響なども受けて、学校や会社などでも、同じようなことが起こります。雰囲気を盛り上げるキャラクターとしての立ち位置が決まって、本人も納得済みのいじられキャラができあがることも多いわけですが・・・。
時間が流れ、状況が変わり、子どもたちは成長し、大人達も仕事の内容や立場が変わり、いままでのいじられキャラを卒業したいと思う時がきます。
「軽いいじり」であれば本人自らいじられキャラになっていたとしても、「しつこいいじり」が繰り返されると、疑いようのない「いじめ」になり、耐えられなくなる時がきます。初めて会う人達の前でも「いじり」ながら紹介するような、そんなことをする人に耐えられなくなりもします。
今まで、自分をネタにして回りに笑いを与えたり、場を盛り上げたりしていた人が成長したり、変化したりすることは、周囲の人がわかろうとしなければなかなか進みません。本人も「もういじられキャラに疲れたんだ」と真剣な顔をして口に出すことはなかなか難しいことでしょう。
人は成長し変化していく。そして今までの自分とは違う自分になっていく。その時には、言葉にして、「もうそういうのは嫌なんだ」「これからは、こんなふうにみんなと付き合っていきたいんだ」「これからは、こんなことに真剣に打ち込んでいこうと思う」と伝えて、今までの日常とは違う日常の中で周囲と付き合うようになっていく必要があります。
難しいけれど、そんなことを言葉にして伝える勇気も必要で、そして周囲は、そういうことが起きることを知って、受け入れていく気持ちを持っていることが必要です。
伝える側と受け入れる側がともにアサーティブでなければ、のりこえられない沢山の課題がある。そんな世界に僕らは住んでいる。時間の流れの中で、変化し成長していく「個人の変化」も尊重していく必要がある。
そんなふうに思うのです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
NPO法人ぐんまアサーションラボ(ぐんまアサラボ)高橋祐紀